★アウグスブルク信仰告白100周年記念★

～ザクセンの歴史を映すダカット金貨～

この神聖ローマ帝国のダカット金貨は、1630年にザクセン選帝侯ヨハン・ゲオルク1世の治世下で鋳造され、アウグスブルク信仰告白100周年を記念した貴重な一枚です。PCGS鑑定においては、2ndグレードの評価を受け、同グレードで僅か3枚しか存在しないという、高い評価を誇ります。

ヨハン・ゲオルク1世（1615-1656）は、1611年に兄クリスチャン2世の後を継いで選帝侯に即位し、「オーガスト」の称号を有していました。彼の治世は、三十年戦争という激動の時代にあたり、最初は皇帝フェルディナント2世の盟主として知られていましたが、1631年にプロテスタント派と結婚し、1635年のプラハ講和後には再び皇帝派に復帰。ザクセンは帝国とスウェーデンの侵攻を受け、極めて困難な状況に直面しました。

1648年の和平によりザクセンはルサティアを獲得しましたが、その後の公国は次第に弱体化し、ドイツのプロテスタント勢力に対する優位を失っていきました。その一方で、ザクセン選帝侯国は依然として政治的な重要性を保持し続けました。

歴史の中で特異な位置を占めるこのダカット金貨は、ヨハン・ゲオルク1世の治世を記念するもので、豊かな歴史的背景と美しいデザインを兼ね備えています。

【表面】ヨハン・ゲオルク1世の肖像

右手に選帝侯の帽子と選帝侯の剣を持つヨハン・ゲオルクの胸像、その周囲に碑文、その下に紋章。剣はゴシック体のEの字を指している。

刻印は「CONFESS. LUTHER. AUG. EXHIBITAE SECULVM.」

ザクセン選帝侯としての地位を示しています。

【裏面】片手に剣を持つ胸像、上下に紋章

刻印「NOMEN - DOMIN - TURRIS - FORTISSIMA.」

直訳すると「最も強い塔」。塔は権力の象徴とされる。

アウグスブルク信仰告白を象徴する宗教的なモチーフが含まれ、信仰の重要性を表現しています。

＜画像クリックでPCGSサイトが確認可能です＞

1630 Ducat Fr-2702 KM-420 Augsburg Confession (Regular Strike) MS63

ID8502